桐箱の読み物
4 桐箱のカタチ いろんな蓋の種類
このコラムでは"桐箱のいろいろな形状”について、ご紹介します。
1 内容物のサイズも測れた
2 桐箱のサイズも分かった
3 桐箱の変化も知った
では・・・次はどんなカタチの桐箱を選ぶのがいいのか?を見ていきましょう!
ひとえに"桐箱”と言っても、いろんなカタチがあります。
正方形から長方形、縦型のものまで。そして蓋の形状も様々あります。
特に蓋の形状で、箱自体の雰囲気や機能性が変わり大事なところです。
どんな物はどのような桐箱のカタチが適しているのか?を分かりやすく紹介してまいります。
1 ヤロウ蓋(印籠蓋)
桐箱の部材の名称
・身(み)→本体のこと。
・蓋(ふた)→蓋のこと。中に入れるものにより蓋の種類も様々あります。
・立ち上がり、ヤロウ→身側の内部または蓋側の内部に別の板を取り付けた部分のこと。
・細部は「印籠蓋」を参照してください。
・側板(かわいた)→箱の外側の部分
・天板(てんばん)→蓋上部の箇所のこと。天板のみ上質な材を使用する場合もある。
・底板(そこいた)→箱の底箇所のこと。底板を貼り付ける形や身内部に組み込む形がある。
桐箱の蓋の中で最も一般的な形状です。
印籠蓋は蓋と身が口縁部で合う造りになっており、内部の立ち上がりに
よって蓋を引っ掛けるので密閉性が高く蓋がぴったり閉まることから、湿度から中身を守る性能が高いです。
そのため、保存性を重視するのであればこちらの蓋使用の箱がおすすめです。
印籠蓋は3種類の蓋形状が存在し、機能性はどれも同様ですが中に入れる物によって用途が変わります。
「主な使用用途」
印籠蓋は、その性質上高級な陶器や茶道具が主ですが、皿、茶碗、全般的に何にでもご使用いただけます。
1 本印籠
桐箱の基本的な形状です。本体と蓋は別々に製造し、本体上部の側板を削り、立ち上がりを出す形状になっています。その本体に蓋を合わせて1つの箱と成します。
由緒あるお茶道具等に用いられており価格帯は高価になります。
2 カギヤロウ蓋
構造は本印籠と似ていますが、製造工程が異なり、1つの箱から蓋側の側周りの板から立ち上がりを削り出して、本体と蓋に分かれた形状をしています。
3 入れヤロウ蓋
一見するとカギヤロウに似ていますが製造工程が異なり身の内部に立ち上がり(ヤロウ)を取り付けた形状をしています。
4 蓋ヤロウ蓋
入れヤロウ蓋とは逆に蓋側内部に立ち上がり(ヤロウ)を付けたものです。
印籠蓋はその名のとおり、あの水戸黄門様で有名な印籠の合口の構造から名づけられています。
2 乗せ蓋・二方桟・四方桟
1 乗せ蓋(のせぶた)
乗せ蓋は、蓋形状の中でも最も簡易的で安価な蓋です。しかしながら、蓋の平板を載せただけであり、他の蓋と異なり支えがないため天板が反りやすくなっています。また、蓋裏に支えがないため、簡単に蓋が開いてしまうため注意が必要です。
中に入れるものは割れ物や高価なものは避けたほうが良さそうですね。
2 二方桟(にほうざん)
二方桟は天板の2か所に平行に桟木を取り付けた形状をしています。支えがついているため乗せ蓋よりは天板が反りにくくなっています。
(3)四方桟(しほうざん)
二方桟の2か所に加えて、四角形になるように桟木を取り付けた形状をしています。四方の桟がしっかり天板を支えるため二方桟に比べさらに 天板が反りにくくなっています。高級感があり、高価な箱によく用いられます。
桐箱の蓋の種類第2弾
今回、ご紹介した蓋は見たことがあるという方は多いのでなないでしょうか?
見たことはあっても、名前や使い分け、蓋の特長を知らなかったという方は多いと思います。
※四方桟は、好評いただいている「米びつ」の蓋にも使わています。
桐箱を使ってもらう人達の大事なものがしっかりと守れるよう、熟練の職人たちが箱と蓋をぴったりと閉まるように丁寧に調整して仕上げています。
そんな職人の想いと技術が詰まった桐箱を是非、お手に取ってみてはいかがでしょうか?
3 かぶせ蓋
主な用途:衣装類、硯箱、道具箱、色紙入、半紙入 等
かぶせ蓋とは、その名の通り、蓋が身(箱本体)へ覆いかぶさるような形をしています。
一方で身のすべてがすっぽりと隠れてしまうような蓋のことを
「総かぶせ蓋」と言ったりします。
総かぶせ蓋はフラットな印象で高級感を感じませんか?
かぶせ蓋の特長は身に蓋をはめ込む形ではないため蓋の開け閉めがとても簡単であり頻繁に開け閉めする用途に適しています。
これまで紹介した桐箱はどちらかと言えば、長年、保管する物に適していた形状ですが、かぶせ蓋は蓋の開け閉めが簡単なので、日常的に使用する物の保管に最適です。
もちろん、保存性もほかの桐箱同様に抜群ですのでご安心ください。
桐箱って高級そうで、扱いにくそう・・・。何入れたらいいか分からない・・・と思っている方は、日々の暮らしの中で使いやすいかぶせ蓋の桐箱からデビューしてみては?
増田桐箱店オンラインストアでは、「かぶせ蓋」の商品も販売していますので是非、ご覧ください。
かぶせ蓋式のシューケース(LOWバージョンもあります。)
4 落とし蓋・スライド蓋
これまでの蓋と違い、身の内側にミゾを彫り込むことで蓋板を差し込み開閉する仕組みの箱です。
落とし蓋は垂直方向、スライド蓋は平行に開閉するものが多いです。
1 落とし蓋
側面の板を引き上げて出し入れする形状になっています。
人形や瓶類など慎重な取扱いを要する品物を入れるのに適しており仕切りを付けると品物を重ねずに複数個収納出来ます。
さらに蓋板に飾りを装飾することも可能で、よくお寺等で見かけるタイプの桐箱です。
仏具等を入れる箱に多く使用されており、一度は見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?
2 スライド蓋
身の内側にミゾを削った箇所に板を差し込んだ形状になっています。
開閉時の幅調整が可能です。
主に花瓶や酒瓶等の長物の収納物に使われることが多いです。
桐箱の蓋の紹介いかがでしたか?
これらの蓋以外にも、まだまだいろいろな種類の蓋があります。
そのほかの蓋の種類については増田桐箱店HP→技術案内をご覧ください。
桐箱は「高級な物を入れる箱」というイメージがあり、なかなか日常的に使うにはハードルが高そう・・・と思っていたアナタも、このブログを読み終えた今なら、「あれ?意外に日常生活で使えそうだな〜」と思ってくれたに違いありません?
ぜひ、これからの暮らしに「桐箱」を使ってみませんか?
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